東京ゲームショウ2010最終日、アークシステムワークスのブースで、2011年1月13日にPS3版とXbox 360版が発売される『アルカナハート3』の開発者トークイベントが行われた。 登場したのは、原案・脚本を担当した『アルカナ』シリーズの生みの親・さくらいとおるさん、コンシューマ移植のディレクター・井口屋タクミさんの2人。軽快なトークで、開発にまつわるエピソードと、コンシューマー版の魅力を語ってくれた。
原案担当のさくらいさんは、シリーズのテーマなどを説明。「学園モノの2D格闘ゲームを作る」という思いが始まりであり、「それでも、おちゃらけずに真面目に対戦する。そのために精霊システムを起用した」と語った。
▲左がさくらいさん、右が井口屋さん。
また、『アルカナハート2』では海外に目を向けて外国人のキャラクターを追加し、『すっごい！アルカナハート2』ではふたたび日本を焦点にする。そして最新作の『アルカナハート3』は、ローゼンベルグ学園という舞台を加え、”学園モノ”へと原点回帰することが目的だったという。
コンシューマ版の魅力については、井口屋さんによる解説とスタッフの実演を交えて解説した。まず、コンシューマ版は16：9のHD画質になり、映像が格段にキレイになる。また画面両端に“リンクアニメーション”を表示することで、従来の4：3画面でも遊べることを説明した。
▲プロモーションムービーを見ながら、各シリーズ作品の追加キャラクターの解説が行われた。……が、アンジェリカについてふれた時、集合イラストしたの中にアンジェリカがいないことが発覚！ これも、次回作でのトークのネタになるのだろうか？
このリンクアニメーションは、キャラクターの対戦状況と連動しており、攻撃をした際やダメージを受けた際に表情やポーズが変わる。アニメーションは240種類以上あり、特定の条件を満たした時にのみ見られるポーズもあるとのこと。さらに、負けた時にはセクシーなイラストが見られるらしい。会場では“エロすぎる”という理由から“KEEP OUT”のテープでその部分が隠されていたが、製品版ではキチンと見られるとのことだ。
また、さくらいさんは、何らかの要素で一番を獲りたかったという制作当初からの願望を明かした。実際に、本シリーズは1作目から、ボイスの収録量は格闘ゲームの中で最多を誇っており、作品を重ねるごとに記録を塗り替え続けているという。特にストーリーモードにおけるフルボイスの会話は、自ら「ギャルゲーみたいですよね」というほど濃厚な内容。収録には約1カ月もの期間が掛かるらしいが、声優陣がキャラクターの心情の変化に気付き、「このキャラクター、ちょっと性格変わりました？」などと言ってくれるのがうれしいと語った。
▲写真ではわかりにくいかもしれないが、かなり精細な画面だった。また、アルカナ選択時に放置しておくと、キャラクターが特殊な動作をすることもあるらしい。
ネットワークモードは、最大6人の対戦部屋を作ることができ、他人の対戦を観戦することも可能。さくらいさんによれば「ラグがまったくなくて感動した」とのこと。また対戦以外にも、友人を招待して特殊なリンクアニメーションを見せるといった、コミュニケーションツールとして使う提案も行っていた。
▲こういった独白も、すべてフルボイスとなっている。それにしても、本当に美少女ゲームなのでは？ と思ってしまいそうな映像だ。
最後は、さくらいさんが「アークに委託して、アーケードに負けない仕上がりになっているので遊んでくださいね」とまとめ、井口屋さんが「（完全）移植以上のものになっています。『ブレイブルー』ファンの方もぜひプレイしてください」と、この後の『ブレイブルー』トークイベントを待つファンにも向けたメッセージが送られ、イベントは幕を閉じた。
▲対戦部屋の画面。機能性について、多くの時間を割いて語っていたが、使い勝手もよさそうだ。
▲初回限定版の特典にも気合いが入っているとのこと。
