アルケミストは、PSP用ソフト『デッドエンド Orchestral Manoeuvres in the Dead End(以下、デッドエンド)』を今夏に発売する。価格は未定。
▲通常版のパッケージイラスト。
『デッドエンド』は、デジタライズド・ゲームブックと呼ばれるシステムを搭載したアドベンチャーゲーム。段落ごとにランダムで配置されたパラグラフを読み進め、選択肢やダイスの内容でシナリオが分岐するゲームブックを、そのまま“デジタル”に落としこんでいる。実際のゲームブックのように、ダイスの目を無視して“ズル”をしたり、最初のパラグラフからパラパラと順に読み進めたりすることも可能となっている。
開発は、PSP『セカンドノベル ~彼女の夏、15分の記憶~』を制作した“テクスト。(ウィザードソフト)”が担当。メインスタッフとして、PC用デジタライズド・ゲームブック『蠅声(さばえ)の王』(Lost Script)を手掛けたvanillaさんが原画を、大槻涼樹さんがシナリオをそれぞれ務める。本作には通常版の他、限定版も用意される予定だ。
ここからは、本作のストーリーやキャラクター、世界観といった基本情報をお届けしていく。最後に、vanillaさんと大槻涼樹さんのコメントも掲載しているのでご覧いただきたい。
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† ストーリー †
東亰府(とうけいふ)に住む高校生・符御是人(ゼクト)はある晩、携帯電話を取りに侵入した校舎で、2組の奇妙な少女と少年に遭遇。蒼い髪の少女とそれに付き従う眼帯の少年に、心臓を刺し貫かれてしまう。
数日後――自室で目覚めたゼクトの目の前に現れたのは、学校で自分を護るために戦ってくれたもう1組の少年少女だった。
ゼクトは彼らから、学校で遭遇した少女の正体が“吸血鬼”であること。自分たちはそれに対抗する組織であること。そして彼らは東亰府環境局廃棄物対策部、特殊廃忌物対策課、第二班。いわば、吹きだまり(デッドエンド)のメンバーであることを知らされ──。
そして半ば強引に、ゼクトはデッドエンドのメンバーに組み入れられてしまった。
科せられたのは、先の戦いでヒザを負傷し車椅子の身となった小林少年とパートナーを組み、それをサポートすること。小林少年は陰陽の力を使った強力な“方程式”、いわゆる魔法のような技を使うことができるが、それには詠唱の時間が必要になる。平時は車を押す係、戦闘時にあっては少年が詠唱を完成するまでの間、足止め程度に戦える人間が必要というのだ。
「無茶すぎる」と頭を抱えつつも、なし崩しにパートナーとなるゼクトだった──。
† 世界観とキーワード †
・吸血鬼との主従関係
吸血鬼の“抱擁を受けた(かまれた)”者が純白である場合、対象者はその吸血鬼の意志にかかわらず後天性の吸血鬼となる。また純白以外の者が吸血鬼に抱擁を受けると、喰屍鬼となる。吸血鬼は自由意志を持つが、喰屍鬼は主の奴隷と化す。喰屍鬼は時間とともに異形化したり、知能が退化したりすることが多い。
・廃棄物対策部
吸血鬼に対峙する組織としては唯一、地方自治体が持つ組織。各省庁の綱引きの中で補助組織として誕生したものだ。本来は、他の組織による戦闘行為の後、その痕跡を速やかに消去するといったサポートとしての運用が想定されていた。しかし実際は戦闘も行っている。
・方程式
この世界で使用される“魔術”といった類の総称。発動手順は術者によってさまざま。たとえば鋼一郎の場合は、指先にトランプサイズの紙片を物質化し、それを触媒として多様な現象を起こす。吸血鬼の中には、複雑な手順も触媒も要さずに行使できる者もいるらしい。
† 登場人物 †
符御 是人(ふみ ぜくと) 16歳
本編の主人公。普段は無干渉無関心な高校生。ふとしたことから東亰府環境局特殊廃“忌”物対策課の面々に命を救われ、そのまま吸血鬼との戦いに巻き込まれる。
早くに両親をなくし、母方の祖父母のもとで育てられた彼は、中学卒業後すぐに働こうとしていたが、紆余曲折の末に進学した。学費以外、生活費は極力自分で稼ぐことを旨としている。料理や掃除も得意。
小林 鋼一郎(こばやし こういちろう) 10歳
生意気ざかりな、車いすの天才少年。ゼクトを救った戦闘でヒザを骨折した。強力な術を持つが、一連の予備動作が必要で連射も利かず、車いすでは著しく不利なため、ゼクトがサポート役としてあてられることになった。姉が1人いて、シスコンの気がある。
手塚 酉穂(てつか とりほ) 16歳
特殊廃忌物課メンバーの1人で、ゼクトの命を救った人物。その際、ゼクトに対して輸血をしている。普段はあまり、表情に感情を出さないタイプでボンヤリとしているが、ジト目になることが多い。
6年前、吸血鬼が原因の列車事故に遭い、両親を一度に失ったショックから、それ以前の記憶を失っている。そのためか乗り物全般が苦手。
拝坂 御木(はいさか みき) 32歳
特殊廃忌物対策課所属で第二班のリーダーを務めている。かつては第一班(レギュラー)だったが、6年前に妻を失って以降、何を考えているのかわからないところが多くなった。そのため、補欠とみなされがちな第二班に落ち着く。いつもダルそうにしている。
阿久津(あくつ)
本名は阿久津大納宗(あくつだいなそー)で元ヤンキー。特殊廃忌物対策課で唯一の非戦闘員で、対策課本来の役割である、他の組織が吸血鬼と戦った後の後始末を行うためのプロ清掃員。清掃員としてのプライドと気合いは高い。
普段は、特殊装甲パッカー車の運転を担当している。拝坂が活躍していたころを知っている人物でもある。ガラは悪いものの、根はいい。
コアトル
白を象徴とする吸血鬼。吸血鬼としては身体が弱く、戦闘であまり前面に出るタイプではない頭脳派。そのためか、グループの中ではリーダー的な役割を担うことが多い。策謀をめぐらせることは好きなようだ。
グレーテ
コアトルの従者。いつも醒めた目でケータイをいじっており、情報機器依存症の気がある。ケータイでは、主にネットやゲームをしている模様。分銅のついた縄状の武器を持ち、中距離から重い一撃を放っては離脱する戦法を得意とする。従者のヘンゼルとは兄妹らしい。
† ゲームシステム †
デジタライズド・ゲームブックならではの、独特の操作が用意されている本作。その一端を紹介する。基本的なルールは、実際のゲームブックに準拠しており、細かく区切られたパラグラフにそれぞれ番号が振られている。物語を読み進めると、プレイヤー自身の状況やダイスの内容に応じて、次に進むパラグラフが示されるので、それに従って(もしくはワザとあらがって)物語を進めよう。
▲右上に書かれている数字がパラグラフ番号(ここでは059)。パラグラフを読み進めると、次に進むパラグラフが示される。どの行動を取るかによって進むべきパラグラフが変わる。
▲選択肢を選ぶだけでなく、パラグラフ番号を直接指定して進める“ジョウント”(画像右下)も用意されている。番号によっては、意外な隠し要素を発見できる……かも?
▲ジョウントの活用方法を紹介。ロッカーにかかった鍵の解除をしようとすると、“カード番号から出席番号を引いた数”をパスワードとして入力するよう求められる。
▲アイテム欄からIDカードを参照すると、カード番号は764。ジョウントでパラグラフ764へ移動すると、出席番号が判明する。
▲このヒントをもとにして764-16=748、つまりジョウントでパラグラフ748へ移動すると、ロッカーの鍵が解除される!
▲戦闘シーンではデジタルダイスを使う。生命点や攻撃基準点などをもとに、ダイスを振って攻撃成功の可否やダメージ点を決める。そうして互いにダメージを計算し、決着をつけることになる。
▲戦闘中にエフェクトが入るのは、ゲームブックにはない“デジタルならでは”といえる。
▲奇襲や罠(わな)などのアクシデントが発生した時にも、ダイスを使うことがある。発生した状況の難易度によって、成否に必要な判定値やダイス数が変わる。
† スタッフコメント †
●原画担当・vanillaさんイラストコメント
●シナリオ担当・大槻さんコメント
こんにちは! 『デッドエンド』はゲーム内のすべてのシーンに番号が割り当てられ、その数字を自在に移動することで冒険を進めるゲームブックというスタイルの、ブックじゃないけどゲームです。
昔はブックだったんです。もともとは本で、番号の書かれたページをめくって移動するゲームだったのですね。 右に進むなら002へ。左に進むなら003へ。
コマンドでも移動できますが、自分で好きな場所に移動することもできます。いきなりオープニングムービーに飛んでみたり。あえて004に進んでみたり……? よろしければ、PSPのお供にぜひ!
(C)TEXT./Alchemist
データ
▼『デッドエンド Orchestral Manoeuvres in the Dead End』
■メーカー:アルケミスト
■対応機種:PSP
■ジャンル:AVG
■発売日:2011年夏
■希望小売価格:未定
▼『デッドエンド Orchestral Manoeuvres in the Dead End(限定版)』
■メーカー:アルケミスト
■対応機種:PSP
■ジャンル:AVG
■発売日:2011年夏
■希望小売価格:未定
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