辻堂さんの純愛ロード，极其简单的感想（三主线攻略済） - 2DJGAME! NOVO

シナリオＢ／システムＡ／グラフィックＳ／サウンドＡ／キャラクターＳ／総合７５点
「黙れ！！お前なんかに分かるか！！！抱きしめるだけが愛情じゃない。好きって言うだけが恋じゃない！お前なんかに……お前なんかに！！！」

2012年、神奈川湘南――。
稲村学園に通う長谷大はそこで無難に過ごしていたが、同級生で不良と近隣から恐れられる少女・辻堂さんが雨の中、猫を助けているという聞いた事のないような衝撃的な場面を目撃し、ギャップから彼女のことが気になる事に…。

だが彼女の周囲は不良だらけ。
ライバルの腰越マキや片瀬恋奈とも知り合うようになり、一般人だった彼の周囲は、加速度的に騒がしくなっていく――。
（OHPより抜粋）

湘南を舞台に辻堂愛をはじめとする不良娘たちと一般人の長谷大との恋を描いた学園ラブコメ。

本作のヒロインは3人。
ジャンルに“不良娘といちゃつくADV”とある通り、そのすべてが不良娘、それも“湘南三大天”と称される湘南ヤンキーの頂点に立つ3人（辻堂愛、片瀬恋奈、腰越マキ）が攻略対象となります。
（※ちなみに、みなとそふとの姉妹ブランドらしく姉キャラ2人（長谷冴子、武孝田よい子）にもエッチシーンが用意されてますが、この二人についてはあくまでもおまけ程度の位置付け（※よい子は個別ルートなし）なので過大な期待はしないでください）

ヒロインが3人しかいない割にフルコンプまでのプレイ時間は20時間強とかなりのボリューム。
配分は個別ルート各5～6時間、共通パート3時間、冴子1時間って感じかな。

必然的にヒロイン1人当たりに割く時間が長くなるため、個別ルートでは王道的なものからマニアックなものまで網羅したさまざまなエピソードが用意されており、ヒロインたちとの甘～い時間がたっぷりと楽しめるようになっています。
エッチシーンも４０シーン（辻堂さん１５、恋奈１０、マキさん１０、マキさん＆よい子１、冴子４）用意されており、イチャイチャ分を補給するには持ってこいの作品と言えるでしょう。

しかしながら、タイトルからもわかるとおり、本作はあくまでも辻堂さんとの純愛をテーマにして作られているため、同じヒロインでも辻堂さんと他の二人の扱いには大きな差があります。

何せ辻堂さんは共通ルートの段階で主人公・長谷大と両想いになるんですからね。
共通ルートの最後で辻堂さんと付き合う（→愛ルートへ）か、それとも別れるか（→恋奈orマキルートへ）を選択することで各ルートに分岐することになるんですが、後者の選択肢を選んでもお互い想い合ったままで別れるため、恋奈ルートでもマキルートでも常に辻堂さんの影がちらつくことになります。

特にマキルートのクライマックスでは辻堂さんが今まで心の奥底に押しこんでいた大への想いをぶちまけるため、どっちがヒロインかわからない状態になってしまうほど。
それゆえ辻堂さんよりも他の二人が好みと言う人にとってはちょっと消化不良な気持ちを抱いてしまうかもしれません。

逆に辻堂さんに惹かれてプレイを始めたという人にとっては、愛シナリオで辻堂さんの愛らしさを骨の髄まで叩き込まれるだけでなく、他二人のシナリオで辻堂さんの健気さに触れて切なさを募らせることができるのですから、もうこれ以上ない最高のシナリオと感じるのではないでしょうか。

ただし、本作のシナリオはあくまでも辻堂さんの魅力を最大限に引き出すことに特化したシナリオになっており、不良娘が雨の中猫を拾うとか、慣れないミニスカートを穿いてもじもじしちゃうとか、褒められるとテレ隠しでキレちゃうとか、ヤンキー娘のテンプレ的なエピソードが多くを占め、シナリオ単体で感動させる類のシナリオではありません。

また、タカヒロ作品おなじみのパロディ満載のテキストにGTOなどの不良漫画的なノリが加わった日常シーンはそれなりに面白いんですが、「つよきす」や「真剣で私に恋しなさい！」ほどの面白さは感じられません。

純粋な読み物として見ると平均点前後といった評価が妥当なので、「不良娘とイチャイチャしたい！」という目的以外でプレイする方は過度の期待をしないようにしましょう。

攻略順は辻堂さん→恋奈→マキさんの順がオススメ。
愛ルートで辻堂さんの可愛さをたっぷり知ることで初めて、残り二人のシナリオにおける辻堂さんの健気な言動が心に響いてくるので、初回プレイは絶対に愛ルートにするべきです。
恋奈とマキさんの順序は絶対順守すべきというほどではありませんが、恋奈ルートで湘南三大天誕生秘話が語られ、マキルートで三大天の抗争に決着が付くことを考えると、やはり恋奈→マキさんの流れの方がしっくりくると思います。

ちなみにシナリオで1番良かったのは恋奈ルート。
恋奈はケンカの実力は中の上程度、金と策略と人望とタフさが売りのヤンキーということもあり、ケンカの実力が規格外の他二人のルートでは小物感漂うやられ役といった感じの子なんですが、この恋奈ルートでは彼女が三大天に数えられている所以を目の当たりにすることができます。

それがまたビックリするくらいかっこいいんですよね。
特にクライマックスのタイマンは熱いの一言！
そりゃあんなかっこいい姿を見せられたらこの人についていこうって思っちゃうわ。

キャラで1番良かったのはもちろん辻堂さん。
愛ルート（特に黒髪愛ルート）の可愛らしい辻堂さんも良かったけど、それ以上に恋奈ルートやマキルートの辻堂さんが健気すぎて心を射抜かれました。

自分が“長谷大の彼女にヤンキーは相応しくない”、“私と付き合ってると危険が及ぶ”という考えから泣く泣く身を引いたにもかかわらず、自分と同じ立場にいる女と付き合ってるって知ったらそりゃ心中穏やかでいられるわけがないですよね。
でも辻堂さんのすごいところはそんなやりきれない気持ちを抱きながらも、大の幸せを第一に考えて行動するところなんですよね。
彼女のそういう健気な行動を見ると凄く胸に響いてきちゃって、他のヒロインのことを想うことなんてとてもじゃないですができませんよ。
マキルートのクライマックスで辻堂さんを選ぶ選択肢が出てきて欲しかったと思ったのは決して私だけじゃないでしょう。

最後に総評。
一般的なADVとしてはともかく、“不良娘といちゃつくADV”としては120点を与えられる作品です。
不良娘が持つ最大の武器であるギャップ萌えが至る所に散りばめられており、特に辻堂さんの言動は可愛いという言葉だけでは表現できないほどの破壊力で何度萌え転がされたかわかりません。
イチャラブ分を補給するには最高の作品と言えるでしょう。

ただし純粋なシナリオだけで勝負する（できる）作品ではないので、購入を検討する際には用途を誤らないよう注意してください。

http://www.h5.dion.ne.jp/~jade/Game%20Review212.html