●今回の舞台は、再び極寒の地!
現地時間の2012年4月3日~4日、イタリアのローマにて、欧米メディアに向けたカプコンのプライベートイベント“CAPTIVATE 2012”が開催された。本記事では、CAPTIVATE 2012で行われた発表の中から『
ロスト プラネット 3』のプレゼンテーションの模様をお届けしよう。ちなみに、CAPTIVATE開催前夜のレセプションパーティーにて、タイトルが明かされないまま、本作のトレーラーが流されたのだが、白銀の世界と原生生物“AK(エイクリッド)”が映し出されたときには会場から歓声が上がり、最後には大きな拍手が起こっていた。世界中で人気を博す『
ロスト プラネット』シリーズ。最新作の詳細に刮目してほしい。
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▲アンドリュー氏(左)と大黒氏(右)
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ロスト プラネット 3』のプロデューサーを務めるアンドリュー・サマンスキー氏がホストとなり、プレゼンテーションがスタート。まずはディレクターの大黒健二氏が挨拶し、以下のように語る。「『
ロスト プラネット』と言うと、雪と氷に覆われた極寒の世界というイメージが強いと思います。『
ロスト プラネット 3』は、そんなイメージをコアコンセプトにした作品です。トレーラーからもそれを感じていただけると思います。本作は、僕が『
ロスト プラネット』の企画を立ち上げる段階でイメージしていたものに非常に近くなっています。過酷な環境の中でのサバイバルや、謎を解明することで世界が広がっていくなど、僕自身がとても楽しみにしている作品です」。
大黒氏の挨拶の後、トレーラーが放映され、本作の発売日が2013年初頭予定であることや、対応機種がプレイステーション3、Xbox 360、PCであることなどが明かされた(日本のPC版発売は未定)。『
ロスト プラネット 3』の舞台は、これまでのシリーズ作と同じ“EDN-3rd”。時間軸は『
ロスト プラネット エクストリーム コンディション』より前で、今回の主人公であるジム・ペイトンは、初めて地球からEDN-3rdに入植してきたグループのひとりだという。アンドリュー氏によると、「本作は従来に比べてストーリー色を強めており、プレイヤーはジムに感情移入しながら物語を進めていくことになる」とのこと。ジムはどこにでもいるような人物で、奥さんと息子を養うために、地球からはるばるEDN-3rdまで働きに来ているのだという。
ここから、実機によるプレイデモがスタート。ジムは過去のシリーズにも登場したNEVECという組織に属しており、彼がいる場所こそ、NEVECがEDN-3rdに初めて建設した基地。彼は基地のボスから指令を受けて、“ユーティリティーリグ”と呼ばれる土木機械に乗り込み、仲間の代わりに出撃する。通常のゲーム画面は、キャラクターを背後から見たTPS(三人称視点シューティング)形式だが、ユーティリティーリグに乗り込むとFPS(一人称視点シューティング)形式になる。これはユーティリティーリグの大きさを表現するためのもの。ユーティリティーリグはバイタルスーツに比べてかなり大きいが、その理由は、まだ技術が発達していないために小型化できないということのようだ。
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▲ハンガーに行き、ユーティリティーリグに乗り込む。外気温はマイナス60度と、恐ろしいほどの寒さだ。
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ユーティリティーリグを使って基地の扉を開けると、一面に銀世界が広がっていた。ジムはユーティリティーリグを操って歩いていくが、あまりの寒さで機体が凍り、動かなくなってしまう。ユーティリティーリグから降りて氷を溶かそうとしたそのとき、AKが襲いかかってきた。登場したAKは四足歩行の生き物で、犬のような素早い動きで生身のジムに襲いかかってくる。AKの弱点は従来と同じようにオレンジ色に発光しており、ここを撃つことで大ダメージを与えられる。また、敵の攻撃を避けるためのローリングのような動きも可能なようだ。アンドリュー氏は、「このシーンでは生身で戦ってもいいし、リグの解凍を優先してもいい」という。ユーティリティーリグを銃で撃つと氷を剥がせるのだが、ユーティリティーリグに乗って戦えば、さきほどの四足歩行のAKを、片手でにぎりつぶすことができるのだ。つまり、状況に応じて、生身とAKを使い分けて戦うことが重要になるだろう。なお、敵を倒してサーマルエナジーが得られる点は、シリーズ作と同様だった。
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▲四足歩行のAKと対峙するジム。
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その後、ジムはユーティリティーリグから降りて、生身で進んでいく。そのまましばらく進むと、画面に表示されたインターフェースなどがすべて消えてしまった。これは、ユーティリティーリグから離れすぎたことで無線が届かなくなったためだという。そして、ザリガニのような姿の巨大AKが登場。仲間のユーティリティーリグを破壊した、強力なAKのようだ。この敵は装甲が非常に厚く、やみくもに銃を撃ってもダメージを与えられない。攻撃をかわしつつ銃を撃ち、弱点である背後に回り込み、口の中に手榴弾を放り込むなど、きっちりと戦術を考えて戦う必要がある。
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▲ユーティリティーリグで行けない場所には、生身で突入する。
| ▲巨大AKとの戦闘。ショットガンで口の中を狙う!
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巨大AKを退けたジムは、データポストを設置することに。データポストは過去のシリーズ作に登場しているもので、起動することによってマップデータなどを確認できるという機械だ。シリーズではすでに立っているデータポストを起動するだけだったが、本作ではジムたちが最初の入植者のため、彼自身がデータポストを立てることになる。データポストを立て終わると、ジムはそのすぐ近くに、見たことがない宇宙船があることに気づく。これは、ジムたち以前にEDN-3rdに入植してきた人間がいる、という可能性を表すものだが、アンドリュー氏によれば、「こうした事実を発見することで、EDN-3rdの謎に迫っていくのです」とのことだ。
舞台は銀世界から宇宙船内部へ。本作では、従来に比べて屋内のミッションも増えているようだ。基地の深部まで進むと、ミッションの内容が“基地内から生きて脱出せよ”に変化。ジムは襲いかかってくるAKを撃退しながら、入り口に向かって走る。AKに飛びつかれると、照準を弱点に合わせるアクションを行なっていた。これに成功すると、AKを振りほどくことができるようだ。
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▲AKに飛びかかられるジム。
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無事に基地から脱出したジムは、再びザリガニ型の巨大AKと対峙する。今度は生身ではなく、ユーティリティーリグに乗った状態での戦闘だ。ユーティリティーリグは、戦闘用でないものの非常に強力で、巨大AKのハサミを左手のクローで掴み、右手のドリルでぶち切ったり、AKの弱点をドリルでえぐるなど、圧倒的な力を見せていた。続けて、より強力なザリガニ型の巨大AKとの戦闘へ。この敵はこれまでの巨大AKと比べて外殻が厚く、弱点が攻撃しにくいため、攻撃するには工夫が必要になる。ユーティリティーリグで敵を掴み、動きを止めた状態でジムが外に出て、生身の状態で弱点の腹部を攻撃するのだ。このように本作では、ユーティリティーリグと生身の状態のコンビネーションも、戦闘では重要になりそうだ。
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▲ユーティリティーリグのパワーを活かしてAKと戦え!
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難敵を退けたジムは、なんとかユーティリティーリグに戻る。少しでも休憩を、と思った矢先、大量のAKがレーダーに映し出されていた……。「つぎは給料を3倍もらわなきゃな」とジムが言ったところで、デモプレイは終了。ちなみに、ロード画面などのプレイの合間に、ジムが地球に残してきた奥さんからのメッセージを読むシーンがいくつか見られたのだが、彼が息子や奥さんを愛していることや、早く地球に帰りたがっていることが伝わってきた。ジムはスーパーマンではなく、あくまでもふつうの人間である。そのジムが、EDN-3rdでどんな物語を見せてくれるのか。続報を期待して待とう。
なお、『
ロスト プラネット 3』については、アンドリュー氏と大黒氏にインタビューを行っているので、必読してほしい。