5つの重要な新規要素が追加され、さらに進化した『FIFA 13』
エレクトロニック・アーツは、イギリスのロンドンで2012年4月20日(現地時間)、プレス向けに『
FIFA 13 ワールドクラス サッカー』を発表した。ここでは、現地で約1時間余りにわたって行われたプレゼンテーションで明かされた、新要素の数々を画面写真とともに紹介しよう。
■ニュー・プレイヤー・インパクト・エンジン 『
FIFA 13』では、前作『
FIFA 12』で採用されたプレイヤー・インパクト・エンジン(選手どうしの接触時に、体の各箇所がどの方向からどれくらいの力を受けているのか、また、どういった慣性が働いているのかを計算するエンジン)がさらに改良され、パワーアップ。体の各パーツにかかる力や強さを見直し、不自然な挙動(ゴール後のパフォーマンスも含め)が修正されている。それと同時に選手どうしの押したり引っ張ったりする競り合いなどにも新しいモーションが追加され、体勢を崩してボールを奪ったり、タックルを華麗にかわしつつドリブルしたりといった動きもよりリアルになっている。つまり、実際のサッカー同様、選手個々のフィジカルの強さも重要となっているのだ。また、新しいプレイヤー・インパクト・エンジンは、各部位の当たり判定を詳細に管理できるため、審判のAIの強化にも活かされているという。
さらに、『
FIFA 12』ではボールを持っている選手にしか競り合いを仕掛けられなかったが、『
FIFA 13』では相手がボールを持つ前から競り合いを仕掛ける(オフ・ザ・ボールバトル)ことも可能になった。これにより、浮いたボールのヘディングでの競り合いなどに、現実のサッカーのようなポジション争いができるようになっている。
■ファーストタッチ・コントロール これまでは、どの選手でも巧みなトラップ(ファーストタッチ)ができていたが、『
FIFA 13』では選手のスキル、またはシチュエーションによってボールのコントロールが一定ではなくなった。このような不安定要素を取り入れたことも、よりリアルなサッカーゲームを実現するためだ。スーパースターとそうではない選手の能力の違いが明確になるため、メッシやロナウドなどといったスーパースターのテクニックがより際立つ形になるだろう。また、トラップスキルが低い選手にはやさしいパスを出すといった配慮も必要となり、プレイヤー側のスキルも必要になってくる。さらに、ファーストタッチ・コントロールによって、これまで以上にルーズボールが増えることで、攻守のバランス、および切り替えのテンポもよくなるはずだ。
■アタッキング・インテリジェンス 空いているスペースを認識する選手のAIが改良され、オフェンス時にボールを持っていない選手の動きが改善されている。たとえば、オフサイドにならならいよう曲線に走ったり、飛び出しのタイミングを図ったり、パスが出しやすいスペースに動いたりと、賢くなっている。これにより、攻撃のバリエーションが大幅に増えることとなる。
■コンプリート・ドリブル リアルなドリブルを実現できるよう、ドリブルのメカニズムをより深く突き詰めたのがコンプリート・ドリブルだ。『
FIFA 09』では5方向、『
FIFA 10』では360度の方向でドリブルが可能になった。『
FIFA 13』では、重心をかけた方向とは別の向きにステップしたりといったフェイントを入れてディフェンダーを欺くといったより高度でリアルなテクニックも再現できる。しかも、これらのテクニックが左スティックのみで操作可能とのこと。
■タクティカル・フリーキック 『
FIFA 13』では、フリーキックのオプションが飛躍的に増えている。たとえば、ディフェンス側は壁となる選手がいつでもジャンプできるようになった。一方の攻撃側はおとりを使って誰がフリーキックを蹴るかをわからないようして、ディフェンス側を欺くといった駆引きも可能になっている。また、壁はちょっとずつ前進させたりといったこともできる(度を過ぎると反則になるので注意)。現実のサッカーで使われるフリーキックのオプションのほとんどが実現可能になっていると言っていいだろう。
以上は、プレゼンテーションで紹介された『
FIFA 13』のおもな新機能だ。最後にラインプロデューサーを務めるNick Channon氏は、「『
FIFA 13』は攻守にたくさんのイノベーション(改革)を加えました。それにより自由で独創的なプレイが可能になっています。それに加え、私たちは『
FIFA 13』でサッカーの予想不可能な部分を再現したかったのです」と語り、ほとんどがサッカー好きと思われる各国のプレスから喝采を浴びていた。この反応からしてみても、本作がいかにプレイヤーが望んていた進化を遂げているかがわかるというもの。日本のサッカーファンもぜひ期待してほしい。