台湾のInternational Games System(IGS)が,PlayStation 4向けアクションゲーム「三国戦紀 Knights of Valour」(2015年夏配信予定)のPlayStation Plus会員を対象としたクローズドβテストを,2015年3月4日より3月19日まで開催している。
本作は,1999年にリリースされて主にアジア圏で人気を博した,「三国志」の物語をベースにした2Dベルトスクロールアクションのアーケードゲームがオリジナル。それを,3DCGで新たに制作し直したPlayStation 4用タイトルだ。クローズドβテストはもちろん無料で参加できるのだが,正式サービスでもFree to Play(F2P)で配信される予定だ。
今回のテストで配信されているのは,今年1月に開催された台北ゲームショウ2015に出展されたプレイアブル版を,プレイヤーの意見をもとにブラッシュアップしたもの。筆者もこのテストに参加して,実際にゲームをプレイすることができたので,そのレポートをお届けしていこう。
クローズドβテストバージョンは,「黄天立つ」と題された四つのステージに,4人の武将を使って挑めるという内容で,オンラインによるマルチプレイも用意されている。課金要素は未実装だが,ログインボーナスや時間経過によってアイテムが手に入るF2Pの一部システムは実装されているので,プレイにおいてこれらがどう影響するのかという感触は味わうことができた。
起動後の画面には6人の武将が登場している。右から3番目と一番右の女性武将は,正式サービスで登場するのだろうか
ゲームは次々と現れる敵を倒しながら進んでいくベルトスクロールタイプのアクションゲームで,ルートが分岐していく要素もアーケード版を踏襲する。
このβテストでは,プレイヤーキャラクターとなる武将は4人用意され,ゲーム開始時は関羽を使うことができ,アイテムの「五色玉」を消費することで使用武将を増やすことができるようになっていた。この五色玉が本作の課金アイテムであり,ライフストックがないときの回復や,新たな武将の解放のほか,スペシャルショップで特別なアイテムと交換することも可能だ。
ゲーム開始時は関羽のみ選択可能。ショップで五色玉を消費して使用権を購入することで,ほかのキャラクターも使えるようになる
画面中央上側に表示されているのが五色玉。キャラクターの使用権のほか,ゲーム中の消費アイテムなどと交換することが可能だ
武将4人のうち,関羽と夏侯惇は「力」,趙雲と貂蝉は「速」のタイプにカテゴライズされ,さらにそれぞれが異なる武器を使うため,当然ながらプレイフィールもかなり異なっている。
力タイプは初期段階から攻撃力が高く,どの攻撃にもスーパーアーマー状態があるので初心者にも扱いやすい。一方の速タイプは攻撃力よりも手数で勝負するタイプで,通常技だけでなく必殺技などにもキャンセルがかかり,コンボをさらに発展させられるという通好みの設定になっている。
なおタイプにはもう1種類が存在しているようだが,そちらは正式サービス以降のお楽しみとなる。
出陣するときはキャラクターのカラーや衣装も選択することが可能。クローズドβテストバージョンでは,カラーのみ選択可能だった
正確には一つのステージが四つに分かれているという構成だ。クリア後もプレイすることができ,新たなルートなどを見つけることで「探索度」が上がっていく
黄天立つのステージでは,黄巾賊を率いる敵武将,張宝との戦いがメインとなっている。シングルプレイ時は序盤のステージということもあって,登場する敵の数はさほど多くなく,難度も低めだが,マルチプレイ時には同じステージでもプレイヤーの数に合わせて敵の数が増える。
また,ゲームを進めるとプレイヤーキャラクターのレベルが上がっていくのだが,先のステージでは敵も強くなっている。そのため,入手したばかりでレベルの低いキャラクターを,先のステージにいきなり投入すると,あっという間に体力を削られてしまうので注意したい。新たなキャラクターを手に入れたら,焦らずに序盤のステージでじっくり育てていこう。
また,ゲームを一通りクリアすると,「難しい」という難度を選べるようになり,こちらでは最初から登場する敵の数も多いなど,なかなか手応えのある内容となっている。
初回プレイ時には,簡単なチュートリアルが挿入される。また,武将固有のスキルはポーズ画面で確認できる
特定の敵を倒す目的のステージもある。このステージでは「木人形」なる敵を4体倒すのが目的だ
キャラクターの操作は,□ボタンを連打して出せる通常技のコンボと,方向キーと□ボタンの組み合わせで繰り出せる必殺技を中心とした比較的オーソドックスなもので,複雑ではない。
ただ,通常技→必殺技→超必殺技(方向キー+△ボタン)をキャンセルを駆使してつなげられたり,敵の攻撃を防御(L1ボタン)した瞬間に対象のボタンを押して反撃するカウンター攻撃が用意されていたりと,上級者ならより華麗に戦えるような仕様もあり,アクションを極めていくのも楽しそうである。
必殺技は通常技の延長という感覚でいつでも出せるが,超必殺技は画面左上に表示された気力ゲージを消費する強力な技だ
時間経過や敵を倒すとたまっていく「斬狂ゲージ」を解放すると斬狂モードとなり,一時的に攻撃力や移動速度が上がる。この状態からくり出す「奥義」は最強の攻撃となる
ゲームは体力制で,キャラクターの体力が0になったときは,ライフストックを消費して復活させることができる。このライフストックは30分で1個回復し,その上限は初期段階で3個までなので,それがなくなったときには,時間経過を待つか前述の五色玉を使って回復することになる。F2Pの定番スタイルだが,元のシリーズがアーケードゲームだったこともあり,このライフをクレジットととらえれば意外にしっくりくる。
オンラインによる見知らぬプレイヤーとのマルチプレイもそうだが,乱入プレイなどができるアーケードゲームをプレイしたことがあるなら,こうした仕組みも受け入れやすいのではないだろうか。
アイテムは右スティックで選択し○ボタンで使用できる。攻撃や回復などさまざまなものから,8種類を持てるようになっているストーリーに絡むシーンではカットインが挿入される。マルチプレイ時も同様に表示されるが,スキップも可能ボスには三国志で知られる武将達が登場する。張宝はかなりインパクトのあるデザインで,ほかのボスがどんな姿なのかも気になるところだマルチプレイも同じストーリーが進行していくが,シングルプレイよりも登場する敵の数が多い。出現したアイテムを拾ってもほかのプレイヤーには影響がないため,全プレイヤーがすべてのドロップアイテムを手に入れられる仕組みだ
現時点での感触としては,ベースとなるアクションはある程度完成していて,非常にプレイしやすい印象だった。シングルプレイ時は若干地味目に感じられた画面も,マルチプレイなら多くのキャラクターが入り乱れ,画面が派手に彩られるので,ぜひ試してみてほしい。
個人的には,細かなところの演出(村人が逃げるシーンや,通常技のヒットエフェクトなど)をもう少しブラッシュアップしてもらえると,ゲームへの熱中度がさらに高まりそうだと感じた。このあたりは,今後の調整で対応されることに期待したい。
また今回はクローズドβテストバージョンということで,ゲームをプレイできる範囲が限られていたため,ゲーム全体のボリュームは分からなかったが,黄天立つの4ステージの内容はそこそこ充実していたので,このクオリティを維持しつつ,三国志全体のストーリーを体験できるなら,かなりのボリュームが期待できそうだ。
ゲームクリア時の実績はボーナスに換算され,お金や装備強化の素材が手に入る
装備品は体の7か所に装備できる。ショップで購入できるほか,道中で入手も可能。気に入ったものは素材を使って強化することもできる
マルチプレイもシングルプレイと同じステージを進行する。条件を決めてルームを作るか,ルームに入ればOKだ
ルームでは出撃前の準備と,定型文を使った簡単なチャットが可能だ
正式サービスの開始はもう少し先となりそうだが,テストは3月19日まで行われている。PlayStation Storeから本作をダウンロードすれば参加できるので,PlayStation 4を持っているPlayStation Plus会員であるなら,ぜひ体験してみてほしい。なお正式サービスでは,PlayStation Plus会員だけでなく,誰でもプレイできるようになる予定だ。PlayStation Plus会員ではない読者は,今夏に予定されている正式サービスをお楽しみに。
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